前回の記事、転職で後悔しない会社選びのポイント資本金編はお読み頂けたでしょうか。

 

企業の資本金の推移、創業年度からその企業の体質を分析して、古い体質が残っているほど「昭和度」が高い。「昭和度」が高いということは、企業側が社員を大切にしていない。社員に快適な職場環境を提供して業務効率をアップさせて、結果として企業の成長になってまた社員に報酬として還元する。という図式が無いことだと思います。

 

要するに社員は社畜で会社が第一だ!という考え方です。

 

企業側(経営側)は、売上げだけを重視して業務効率などお構いなし。社員がいなくならなければ劣悪環境でも関係なし。権限はあればあるほど乱用して、義務を怠り責任を押し付ける。精神論を振りかざし、恐怖政治で統制する。

 

昭和度が高い企業は、転職先・就業先として宜しくないのでは?という内容でした。今回は、その「昭和度」についてもう少し実例を交えて、具体的に記載させて頂きます。

 

出勤時間から分かる昭和度

まずは出勤時間について、朝何時に出勤するかです。これも業種や職種によってそもそも違いがあります。企業によってというより業種によって違うと言えます。

 

建設系や工事系の企業は、朝8:30とか8:00とか、早い場合が多いですね。業種による合理的な理由がはっきりしている場合は、昭和度の判定対象にはならないと思います。私の考えるポイントは、業種による合理的な理由が特にない場合を対象として考えます。

 

それでは、求人内容の就業時間を分析してみましょう。だいたい以下のようになっていると思います。

  • ①8:50(9:00より少し前)
  • ②9:00
  • ③9:30
  • ④10:00
  • ⑤フレックス

圧倒的多数の企業は、②の9:00からが多いと思います。

 

一昔前であれば、②は当たり前なので昭和度に関係ないと思われますが、近時では③~⑤がどんどん増えている傾向にあります。したがって、②の場合は昭和度が高い可能性もあるということだと思います。平たく言うと注意が必要ということですね。

 

③の場合、これは通勤ラッシュを考慮している場合が多いです。求人内容や面接時の説明でも謳っている場合があります。これは、昭和度が低いベクトルがはたらいている。と言えると思います。

 

④の場合、明らかに昭和度は低い。いや令和度が高い?古い体質の可能性がとても低いと思います。

 

⑤の場合、鉄板で古い体質はないでしょう。昭和度はゼロの可能性が高い。

 

最後に①の場合、昭和度の香りが充満していると思います。9:00より少し前というのがポイントです。そう、何かイベントがあるんですね。一番多いのは、朝礼とかミーティング(朝礼)だと思います。あとは掃除とか会社が独自に決めた何かです。ここも合理的な理由が明確にあれば、昭和度は一気に下がります。しかし、合理的な理由が無い場合、昭和度全開になります。

 

無駄な朝礼、さらに持ち回りでスピーチをして下さいとか、社訓の唱和とか、ラジオ体操とか…。なんて会社もあります。もちろんスピーチの内容は、業務に全く関係ないものです。内容は自由です。「内容は自由?」何か意味があるの?

 

ここで、考えて見て下さい。ちょっと安めに設定しますが、社員一人当たりの時給コストを1,200円と設定しましょう。会社側の経費という意味です。実際の給与の換算ではないです。100人が朝礼を毎朝10分していました。コストを計算すると、

 

  • 1日分1200円×100人÷6(10分)=20,000円/日
  • 1ヶ月分1200円×100人÷6(10分)×20日(1ヶ月稼働日数)=400,000円/月
  • 1年分1200円×100人÷6(10分)×20日(1ヶ月稼働日数)×12ヶ月(1年)=4,800,000円/年

 

年間500万円弱の人件費がかかりますね。100人で10分の場合です。人数や時間が増えれば、人件費もどんどん増えますね。そして、その内容は「内容自由」のスピーチ。毎日2万円使って、みんなのスピーチを聞こう!

 

優良企業だと思いますか?

 

社員が働きやすい、快適な業務環境を用意してくれると思いますか?

 

業務効率が上がると思いますか?

 

年間500万の経費があったら、社内ポータルサイトを作るとか、オンラインを導入するとか、色々な代替手段も選択できると思います。

 

社内システム導入案件の時に、何社か聞いたことがあります。今時、朝礼してるんですか?

 

そうすると、社内で情報共有をする為とか、社員のモチベーションを高める為とか。スピーチについては、プレゼンテーション能力を高める為とか、そういう回答がありました。

 

「内容自由」なスピーチが、プレゼンテーション能力を高めるんですかね?何か違うと私は思いました。

 

業務上、必要不可欠な合理的理由がある場合は別として、そうでは無い場合の朝礼は、経営側、管理側の自己満足が最大の理由だと私は思います。

 

  • ちゃんと儀式を毎日行っている。
  • マネジメント業務を遂行している。
  • 管理者の責任を果たしている。
  • 王様ゲームの王様になって、命令ができる。

 

社内組織が脆弱であるほど、朝礼に固執する傾向があったような気がします。マネジメントが上手く行かないので、儀式にすがるしかないんですね。儀式を行ってみんなで団結しよう!

 

私が、企業を選ぶ時、(選べる立場じゃないですけど…)朝礼の有無と内容は必ず確認します。意外と正確な昭和度数が計測できます。

 

今回は、求人票の勤務時間体系から、昭和度数を計るという記事でした。

 

朝礼がある→昭和度数が上がる→優良企業の期待値が下がる。

 

というロジックは、如何でしたでしょうか。

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。